スマホ手にする中学校への移行期に
「春のあんしんネット・新学期一斉行動」は、青少年がインターネットの利用によって犯罪やトラブルに巻き込まれることを防止するなどを目的に、こども家庭庁をはじめとした関係省庁が連携。保護者が子どものスマートフォンを「フィルタリング」や時間管理機能などで管理する「ペアレンタルコントロール」の普及促進、青少年のインターネットを適切に利用する能力の向上に重点を置き、啓発活動などを展開しています。
本県では、スマートフォンを手にしやすい小学校から中学校への移行期に合わせ、3~4月、中学校の入学説明会や入学式などに参加した保護者へ向け、長崎県メディア安全指導員や学校の職員らがメディアの現状や問題点、対応策などを講話しました。
SNSに起因する被害者は増加傾向
警察庁の発表によると、「X(旧ツイッター)」「インスタグラム」「LINE」などのSNSに起因する18歳未満の青少年の被害者数は2023年には全国で1665人に上ります。前年より減少したものの、2013年以降増加傾向にあり、被害者は中学生が最多です。長崎県では2019年からの5年間で、75人の児童生徒が性被害などに遭っています。多くは有害情報へのアクセスを制限する「フィルタリング」を利用していませんでした。
「春のあんしんネット・新学期一斉行動」では、保護者に対し、以下の「四つのお願い」を伝えています。
▽スマートフォンを子どもに持たせる場合、情報リテラシーを身に付けさせながら親の管理の下でサイトやアプリを利用させる。
▽有害情報へアクセスを制限する「フィルタリング」や使用時間を管理する「ペアレンタルコントロール機能」を利用する。
▽家庭でのルールづくり。
▽普段から親子のコミュニケーションを大切にする。
「保護者の責任」として子ども守ろう
4月8日、長崎市為石町の三和中学校は入学式後に啓発活動を実施しました。生徒指導主事の川口哲治教諭が約80人の保護者に向け、「使い方一つで大きな落とし穴があること、お子さまの将来を台無しにするかもしれないことを忘れないでください。経験の少ない中学生のお子さまがネット被害者や加害者にならないよう、『保護者の責任』としてお子さまを守ってください」などと講話しました。
多くの学校で例年、スマートフォンやSNSなどによるトラブルが発生しており、川口教諭は取材に「今後も授業などさまざまな場面で生徒に情報リテラシーを身に付けてもらう指導を続けたい。保護者と密にコミュニケーションを取りながらトラブルを未然に防ぎ、生徒の安全を守りたい」と話しました。